teng1954のブログ

定年後に世界1周旅行。再就職・・・終活かな

天愚の汗だく駄句

道路の掃き掃除をしていて、ふと梅が咲いているのに気付いた。そんな季節なんだと、妻に話したら、家の白梅も咲いているとか。外に出て猫の額ほどの庭の隅を見た。なるほど小さい梅の木があって、白い花が咲いていた。

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高さ40センチほどの低木だ。なんでも知人が盆栽の梅を譲ってくれたそうだ。鉢植えの盆栽を育てるのは知識がいる。そこで庭に植え替えたということだ。それにしても気付かなかった、下過ぎて匂いも漂ってこない。梅の香は、かすかだものなあ。

昨年は大宰府に行ったこともあって、道真公の和歌「東風吹かば・・・」を書いた。今回は幼い頃聴いた歌謡曲「湯島の白梅」。昔は大人が歌っているのを聞いて覚えたので、4,5歳から爺さんまで同じ歌を知っていたものだ。

〽湯島通れば思い出す お蔦 主税の心意気・・・

そんな歌詞だった。泉鏡花の小説「婦系図」がモデル、悲恋物語だ。師事する先生の手伝いをしている主税。彼には芸者のお蔦という愛人がいて、隠していた。先生は自分の娘と主税を結婚させようとしていた。お蔦と別れるように主税に言う。

別れる二人だが、お蔦は悲しみのあまり病気になる。危篤のお蔦を見舞った先生は、自分の非情さを反省。死の間際に主税のふりをして「お蔦、会いに来たよ」と話す。お蔦は安心して天国へ。そんな悲しい物語。

歌を聞いた5、6歳の頃はあらすじなど知らなかったが。中学、高校になると小説を読むようになり、泉鏡花の代表作もあったわけ。

大学でまた「湯島の白梅」に出会う。それは伊勢物語の中に”筒井筒”という言葉が出て来たときに、教授いわく「湯島の白梅」の歌詞にもあると言ったのだ。

幼馴染で筒井筒(井戸を囲った策の周り)で遊んだ仲という意味だと知った。昔の歌詞には教養が入っているなあ。

尾崎紅葉の「金色夜叉」なども歌謡曲で知ったのが最初。〽熱海の海岸散歩して~

貫一、お宮の悲恋物語。改めて調べてみて驚いた。新聞連載小説で未完のまま尾崎は亡くなってしまったのだ。明治の恋愛小説でした!

※駄句

白梅やひっそり光る庭の隅(天愚)