新盆とBMW
世界一周に出発して2日目、大阪港を出た時に、叔父の訃報がスマホに入って来た。どうしようもないので、そのまま旅へ・・・気になっていた。この叔父に出発の前、3月の彼岸に墓参りに付き合ってもらい、旅行の話もした。
車が大好きな叔父で、キューバでクラシックカーの写真を撮ってくる約束をしていた。叔父が亡くなり、トランプ大統領の政策でキューバにも行けず帰国。きょうは叔父の新盆で家に行った。若い頃ヨタ8(トヨタスポーツ800)に乗り、最近はベンツのスポーツカーに乗っていた叔父満面の笑みで運転していたのが、思い出される。
新盆は神式で行われた。会社関係などでの神式葬儀には参列したことがあるが、個人の家での神式は初めてだった。笙が吹かれ、神主さん2人が祝詞(祭祀だから、祝詞でいいのかな?)を朗々と謳いあげた。
玉串を捧げて二拍一礼・・・全員が済ませて終了、30分ほどだった。後で聞いた話だが仏式より、かなり安価で葬式も済んだという。神主は神社本庁の職員で給料制だと、どこかで聞いた。大きな神社でなかなか氏子になれないらしいが、交際の広かった叔父らしい。新盆の話はここまで。
叔父の新盆を済ませて、新幹線で帰京。行きの下りは自由席ガラガラ、帰りの上りは大混雑だった。東京駅の混雑具合は、もう見ただけで汗が吹き出るくらいだ。
地下鉄で自宅のある駅で降りた。BMWのショールームの前でパスモを拾った。妻を待たせて駅まで届けに行った。そこでの会話。
「ベムヴェーの前で拾ったのですが」
「ベンジョですね」
「いえ、ベムヴェー!」
「え?どこですか?」
「ビー・エム・ダブリューだよ」
「ああ」
叔父の新盆に、こんな会話が駅員としたのも何かの縁かな。いまの若い人に「ベムヴェー」と言っても通じないのだねえ。叔父も笑っているだろう。