暖かかったり、寒くなったり気温の変動が多い時期。暑さ寒さも彼岸までということですかね。ひと月ほど前から、道行く人の注目を集めている梅がある。
南青山三丁目交差点から、外苑西通りを千駄ヶ谷方向へ150メートルほど。海蔵寺というお寺の山門前に咲く白梅だ。形が整っていて美しい。
海蔵寺は禅宗の一つ、黄檗宗の寺だ。開祖は隠元禅師、インゲン豆を明から持ってきた高僧。いまだに名前が残っているのは豆のことだけではないからだろう。その孫弟子にあたる鉄眼禅師がここに寺を作ったという。江戸時代の初めのころ。
いろいろ調べてみると、芭蕉の句碑がるらしい。聞いてみようとしたが、寺の人もいない。句碑らしきものもない。仕方がない・・・。検索すると以下の句があった。
身を捨に登る虫あり高灯籠(芭蕉)
以前も書いたが、昔は小動物も虫と言ったようだ。蛙、蛇、蜥蜴・・・みんな虫偏が付いているのは、その名残。灯籠に登って飛び降りる虫って、何だろう?見当がつかないが。蛙かな。何かの事件を詠んだのか?
竜宮城のような山門、赤い山門にハッとして美しい梅に立ち止まる。近所の人たちも毎年この風景を楽しんでいる。
ベルコモンズがなくなり、ピーコックも!そしてVANの建物も解体中。この寺くらいかな?残っているのは。コロナのせいか店の入れ替わりも激しい。
オリンピックが開催されるかどうか分からないが、国立競技場も新築なった。40年前からある建物や店は数少ない。国立競技場前のラーメン店・ホープ軒は健在だ。競技場が大きくなって道路にせり出し、本当に目の前になった。
若い頃、外苑西通りを墓地下から千駄ヶ谷まで飲み歩いた。昨年その一つVANの隣のビル地下にあった「ムッシュ」も閉店。マスターに道で会ったら「コロナだよ」と一言だった。残念!
竜宮城のような山門だけは、いつまでも残ってほしいものだ。
※駄句
白梅や乙姫となり山門に(天愚)