teng1954のブログ

定年後に世界1周旅行。再就職・・・終活かな

定年オヤジの世界一周旅行

 

航海54日目

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きょうも講演を聞いた。森達也監督の「死刑制度と私たち~日本・アメリカ・北欧~」。死刑制度があるのは世界の3分の1の国だそうだ。EU諸国は加入の条件に死刑廃止があるという。ノルウエーの刑務所の映像を見た。最高刑が禁固21年らしい。3人殺した囚人が職員や所長と一緒に食事をしている。

部屋には鉄格子などはなく、テレビも置いてある。刑務所という感じは全くない。収容者の社会復帰に重きをおいている。犯罪を犯す原因は①幼児期の愛情不足②成長期の教育不足③現在の貧困…20歳で罪を犯して20年の禁固刑なら、出てくるのは41歳だ。普通は前科者の中年男の働く場所などない。そうならないように、社会との繋がりを絶たないような生活を送らせている。

日本は犯罪の発生率は低いが、再犯が多いという。それは前述したことが原因なのだろう。社会復帰にお金をかけているノルウエー、それは社会保障がしっかりしているからできることだ。日本ではマネができないだろう。さらに加害者の親と被害者の親が抱き合って泣いている光景があったとか。私には信じがたい。あったとしても、稀なのではないか?

タバコを吸っている時に森監督に会った。難しい話ではなく、最初見た「ドキュメンタリーは嘘をつく」のシーンに私になじみの場所が何箇所か出てくるので、神宮前に住んでいるのですか?と。茨城だとの返事。ただのロケ地でした。地元の人が多い食堂なんです、なんて軽い話でした。

森監督は最後に面白いことを言った。モンゴルの遊牧民の話。ヒツジの群れに必ずヤギを入れておくのだそうだ。ヒツジは従順で同じ場所に草がなくなってもいるのに、ヤギは別の場所に移動する。するとヒツジも付いて行くという。牧童犬なども同じ原理だそうだ。集団で黙って付いて行くヒツジの群れになってはいけない、という強いメッセージだった。

写真は青いカリブ海の海面。深さは2000メートル以上もあるんだとか。