昭和の大投手逝く
金田正一さんが亡くなった。プロ野球に関心を持った少年時代の大投手。私が育った東北では野球放送は巨人だけだった。読売の販売戦略、テレビで放映し、巨人の人気をあおる。新聞をとればチケットがもらえる。そんな感じだったかな。
そのおかげで私の周りは巨人ファンばかりだった。私の父は国鉄、本人は巨人ファンだった。その国鉄スワローズで巨人をやっつけていたのが金田投手だった。ダブルへダーで１日２勝あげたこともあった。
そんなこともあり、私は巨人をやっつけるスワローズの金田投手が好きだった。彼が巨人移籍した時は悲しかったなあ。スワローズファンは少なかった。プロ野球の話は、あまりしなかったような気がする。隠れファンになっていた。
国鉄スワローズ→産経スワローズ→産経アトムズ、そしてヤクルトスワローズとなっていた。縁があってスワローズを応援するサンケイスポーツに入った。会社の中でも、やはり巨人ファンが多かった。広岡監督になって昭和５３年ヤクルト初優勝の時、トイレで泣いていたのを見られ、笑われたっけ＾＾；
金田投手だが、その頃はロッテの監督になっていた。サンスポに入って３年目くらいに鹿児島のロッテ・キャンプを取材に行った。編集整理部の先輩と２人で鹿児島へ。２月の鹿児島は寒かった。ロッテ担当記者が、金田監督に紹介してくれた。
一緒に行った先輩は、高校野球経験者で監督もフムフムと話を聞く。「何かスポーツやってるか？」と監督が聞くので「はい、レスリングやってました」と答えた。すると何故か、ベンチに置いてあったブリキ缶の火鉢から、真っ赤に燃えた炭を私に投げつけるのだ！！私は右へ左へ逃げ回った。
「よくできました！」監督はそう言って大笑いしたのだ。もうビックリして理由も何も聞けなかった。帰り際に握手をしてくれ、お土産に？福岡の高級トルコ（いまのソープ）半額券を２枚くれた。
一緒に行った先輩記者が、福岡に友達がいるというので言うとおりにした。その友達は古本店をやっていた。「ピラミッ堂」とかいう名前だったなあ。金田監督からもらった券見ながら２人でコソコソ。高級店なので当然高い、結局は先輩に持ち金を貸し、彼は友人とゆうゆうと出かけて行った。
私は古本店の臨時店員として留守番した次第。まあ、遊び慣れてもいなかったし、恨んではいない。しかし、そんな時に限って客が来て、往生したのを思い出す。克明に覚えているのは金田監督がくれた半額券のおかげだね。ありがとうございました。
写真は近所でしていた何かの撮影、女性２人がＭＣ？
訃報あり思い出めぐる夜長かな（天愚）
